もう少しできるかなと思ったときに、すぐに応募して手を挙げられるのは、本当に助かります。
大学で建築学部を卒業後、建築設計事務所・飲食業などを経て、税理士を志す。多くの会計事務所・税理士法人で経験を積みながら資格取得を目指し、2017年7月に税理士登録。現在は九段下で事務所を構え、不動産賃貸業の顧客をメインに会計業務を提供。不動産の知識を活かし、相続・贈与などの業務にも注力している。
根生:もともと妻の家業の手伝いで飲食業をやっていたのですが、34歳ぐらいの時に何か手に職をつけて独立したいなと思って。飲食業関連の税務については私自身で勉強して計算していたこともあって、その流れで税理士の勉強を始めたという経緯です。
武:全く異なる業種から税理士を目指されたのですね。身内で税理士の方がいらっしゃったのですか?
根生:いえ、誰もやっていないので、知らないことだらけでした。
そのときも、いざ税理士試験を受けようと思ったら、私は大学が理系の学部だったので、経済学や経営学などの必要な科目を取れていなくて、受験資格がなかったっていう(笑) 会計事務所に入ってから気がついて、とりあえず簿記1級を取らないといけない、と。
武:本当に1から税理士を目指されたのですね。お勤めになられながら資格を取るのは、やはり大変でしたか?
根生:そうですね、しばらくは昼間に仕事をして、夜は予備校に通って、という生活でした。ただ科目をある程度とると、やっぱり業務の方が忙しくなるんですよね。法人税の科目を最初の方に取ったので、どんどん業務が積まれて。そうすると学校での勉強が難しくなって、一時期は少しきつかったですね。
武:いくつかの税理士事務所にお勤めされていたとお聞きしましたが。
根生:都内の事務所で7件ぐらい勤めましたね。最終的には不動産に携わりたかったので、 40歳前くらいに資産税専門の事務所に入って。そこから資産税専門を渡り歩いた感じでした。
武:その中で、独立して相続の業務をやっていこうとなったきっかけは何かあったのでしょうか?
根生:最後にいた事務所の所長先生が体を悪くされて、事務所を閉めるってことになってしまって。それで自身が担当していた顧客についても、先方が話して納得してくれれば、引き続き担当してもらいたいという話があったので、当時の事務所の閉業と同時に、自分の事務所を開業した形でしたね。
武:所長先生の信頼も得られていたことが、独立に繋がったのですね。
根生:年に2~3件くらいですね。顧問先の会長が亡くなられたとか、あとはお父様が亡くなって代替わり、とか。
武:先生方にお話を聞くと、みなさま顧問先の相続案件をご対応されていらっしゃるくらいですね。
根生:少し語弊があるかもしれませんが、相続業務については基本的にただ待っているだけしかできないので。顧問先の紹介だけでは安定した仕事にならない状態でしたね。
そのような理由もあって、開業当時は仕事の量がなかなか安定せず、資金繰りが苦しい時もありました。
武:弊社の提携制度については、お知り合いの先生にご紹介を受けられたということで、最初に提携のお話を聞いたときは、どうでしたか?
根生:はい、先輩の税理士に紹介してもらって。私としてはもう願ったり叶ったりでしたね。前にお話した通り、やっぱり事務所を構えても、相続の仕事って普通は来ないんですよ。1人事務所だと実務に時間がとられて、営業ができないので。その点に関してはすごい メリットを感じますね。
武:ありがとうございます。弊社ではMochi-yaにて先生方に案件をご紹介させていただいており、自ら応募いただく仕組みを取っていますが、それについてはいかがですか?
根生:自身の事務所の案件状況も踏まえて、案件数を調整させてもらうっていうようなことができるので、ありがたいです。
あとはその逆で、相続業務ってお客様側の手続き具合によっては、思ったよりも早く終わることもあって。そうすると、今度は何も案件を持っていないから怖くなるんですよ(笑)
武:なるほど。逆に仕事がない時期が発生し、先生方も不安になられることもあるということですね。
根生:そうなんです。もう少しできるかなと思ったときに、すぐに応募して手を挙げられるのは、本当に助かります。
武:お話を伺っていると、弊社の取り組みが先生のお悩みだった部分を解消し、お役に立てているようで何よりです。
武:提携して最初の頃はどうでしたか?
根生:最初は大変でしたね。紹介してくれた先生に電話して聞いて(笑)。レガシィの方々も丁寧に教えてくれるんですけど、やっぱりルールを覚えるまでが難しくて、最初はもうバタバタでしたね。マニュアルも見ながら、質問しながら進める形で。
武:そうでしたか。提携して1年くらい経つかと思いますが、慣れましたか?
根生:そうですね、半年ぐらいやらせていただいて、やらなきゃいけないこととスケジュールが見えてくるようになりました。あとは遺産整理の先生との連携がうまくいくようになると、大分楽になりましね。
武:そうでしたか。弊社としても、遺産整理は行政書士の先生と提携させていただいて、先生同士の連携というのも今非常に注力しております。
根生:人間だから相性もあると思いますが、一度ご一緒すると進行がやりやすいな、と感じますね。今後も連携できる先生が増えたらいいなと思っています。
武:先生はご趣味がランニングと伺いましたが、趣味でつながっている先生もいらっしゃるのですか?
根生:基本的には遊びの範囲なのですが、SNSで走った内容を投稿していたら、渋谷の税理士会のランニング同好会に呼んでもらえたりして。そこの先生たちと仲良くなって、また飲みに行ったり、一緒に走ったりと良い関係が築けていますね。
武:何がきっかけでコミュニティが広がるかわかりませんね。
根生:僕なんかは走っている様子と今日はこの先生とご飯を食べています、っていう情報だけの発信なのですが(笑)1人事務所の税理士だと、SNSでもなかなか営業面の投稿をする暇がないのですが、気軽な投稿からつながりもできるので、おすすめです。
根生:やはり仕事の量をこちらで選べるというのが一番のメリットだと思います。
先にお伝えした通り、法人関連の申告が多い時は厳しいときもありますが、ただその中にも波があると思うので、提携してその波をなだらかにして、第2の収益としてもやっていけるかと。特に開業したての事務所にとっては、とても良いのではないかと思います。